***nurse***

本職・天職。





+そんなもん渡したら犯罪です+

ちょっとオトボケばあさん、S村さん。
検温に行ったら、

「今夜眠れそうもないので、アレ貰えます?えーと、アレ・・・

あ、覚せい剤。」


・・・眠剤でしょうが、おばあちゃん。



「今度の土日、外泊してもいいって先生が言ってくださったの。

結構長く入院してるし、淋しくて
ホームレスになっちゃう。」


・・・ホームシックでしょうが、おばあちゃん。



「あ、間違えた、ホームシックだわ、あはは。ゴメンね、英語は不自由で。」





いえ、充分日本語も不自由ですわよ。




+おいしいかな。+

抗生剤を内服している患者さんが、「おなか壊した。なんでかなぁ。」と訴えた。


「今、○○さんが飲んでいる薬は、抗生剤で、
ひどい風邪をひいた時なんかにも処方されるお薬なんですよ。
体の中の悪い菌だけを選んで、やっつけてくれたらいいんですけど、
体にとって良い働きをしてくれる菌、例えばよく聞くところで大腸菌とかビフィズス菌とか・・・
そういう菌までやっつけてしまう事があるんです。
なので、おなかを壊してしまうコトもあるんですよ。」



「そうなんだぁ〜へえぇ。
じゃ、大腸菌を飲んだらいいね!」



いや、それはちょっと・・・・・






+ナースのオシャレ+

ースキャップ廃止の病院が多い中、
うちの病院はまだ時代の流れに乗っていけていない現状。

何故なら、一度、外来ナースが試験的にキャップをはずしたら、
「誰が看護師かわからない!」
「身なりもキチッと出来ないのか!」
と、苦情が来まして。

やっぱお年寄りは、ナース=ナースキャップというイメージが強いようで。

・・・・邪魔なんだよなー・・・・・
よく棚でぶつけてピンが引っ張られて痛いし。
これからの季節、ムレるし。
仕事終わってはずしたら、髪に型ついてるし。
白衣や予防衣のように汚れが目立たないから、変える頻度が少ないので
見た目はキレイでも、いっろーんなバイ菌ちゃんがついてると思われ。


そして、パンツタイプの白衣。
脳外科病棟ではこの方が絶対動きやすい。
でもこれも苦情。
「女らしさがない!」
「俺らの税金で飯食ってるくせに、足くらい見せてサービスせんかい」

なんなんでしょ。
ここはキャバクラじゃありませんが。
それにあんたに養ってもらってる訳じゃねぇよ、
ちゃんと仕事して飯食ってんだ。むかむか。

そんな話はさておき。

このナースキャップ。

これを付ける位置や大きさでだいたいの年齢がわかるのはご存知?
決まりがある訳じゃないのですが。
そもそもナースキャップとは、こぉんな変な形をしています。
これをあれやこれやと折って、あの形は作られているのです。
小さい女の子に、白い紙を切って作ってあげるととても喜ばれます。
   
20代の若いナースは、大概、小さく小さく折りたたもうとします。
そして後ろへ後ろへ付けようとします。
何故って?

かわいいから。

それだけの理由。

ナースのお仕事での観月ありさを想像してください。

こんな感じ。  ↓
   

ユウコさん、かろうじてまだこの大きさを保っています。
後頭部に、「ちょこん」と付けるのが可愛いのでございます。
落ちないの?とよく言われますが、白ピンで留めてあるので大丈夫。

   


30代くらいになると、大きさは標準サイズになります。
何故って?

めんどくさいから。

家事や育児に追われ、そんなコトに気を使っている神経は失われていくのです。
松下由樹のように。
こんな感じ。   ↓
   


そして、50代くらいになりますと、
とんでもない大きさになります。
吉行和子って感じでしょうか。
どーん。    ↓
   
総師長クラスですね。
なぜにここで折る?と聞きたくなりませんか?
ほんでこれを頭に載せます。
もう「付ける」という次元ではありません。
乗せてるのです。置いてるのです。

思わず、「コック?」と聞きたくなるような感じ。
コメディタッチの医療系ドラマを見ていると、
「載せてる」レベル、でか折りがちょこちょこ見受けられます。
より高い芸術性を表現したいのなら、
小さく折って、後ろに「付ける」のをお忘れなく。






+宿泊 9800円いただきます+

糖尿病教育入院のY田さん、♂37歳。

「彼、初めての入院だし、心配なので今夜は泊まります。」と奥さん。

糖尿病教育入院なのに・・・・
本人、ピンピンしてるのに・・・・

ま、個室だからいいけどさ。


消灯時間の午後9時。電気を消しに廻りながらラウンド。
Y田さんの部屋は既に電気が消えていました。

早いなー若いのにもう寝てるんかなー

起こしたら悪いので、ソーッとドアを開けて、
そのままソーッとドアを閉めました。






申し訳ありませんが、
声殺しながら病室内で、やるのだけはやめてください。


ここは病院仕様のラブホテルではないので。

鼻血出ます



でもま、糖尿病だけど、性欲減退しなくて良かったね。
子供が出来たら、是非うちの産婦人科で。






+患者も家族も高齢化+

患者さんの面会に来ていた若い夫婦が、
血相変えてナースステーションに飛び込んできた。

「すいません!おじいちゃんがいなくなったんです!!」

「え、どちらさまですか?(汗)」

「あ、すいません。6号室の○○の家族の者なんですけど。」

「・・・・? 6号の○○さんは、女性ですよね。」

「ええ、一緒に連れてきたおじいちゃんが行方不明なんですぅ〜!!」

「は?」

「おじいちゃん、ちょっと痴呆があって、トイレに行くって部屋を出たっきり、
あんまり帰ってこないので探しに行ったんですけど、トイレにもいなくて・・・」

痴呆があるなら、ついて行けよな(心の声)

「とりあえず、全館放送してみますので・・・・1階とか探してもらえます?
私たちはおじいさんがどういう人なのか、わかりませんので・・・」

「ハイ!お願いします!!」




とりあえず、私はレベル100のクモ膜下出血のおばあちゃまのバイタルがあるので、
同僚に全館放送を依頼して、7号室へ向かう。


「失礼します、こんにちは〜。△△さん、ちょっと血圧測りますねー。」

「いつもありがとうございます、看護婦さん。妻の具合はいかがでしょう?」

「そうですねー、最初は全然反応がなかったですけど、
最近は自分で呼吸も出来るようになりましたし、手もちょっと動くんですよー」

「ああ、そうですか、ありがとうございますー」


ピンポンパンポーン
『××病棟にご入院中の○○様のご家族の○○●●様〜
至急、お部屋の方へお戻りください』
ピンポンパンポーン


「あ、僕の名前呼ばれたなぁ。なんでかなぁ。」




お前かよ!!!!




なんで隣の部屋でくつろいどんねん!!!





+ 感謝の気持ち +

「なんでこんなにオムツが減ってるんですか?!
昨日用意したばかりなんですけど!
寝る前に当てたら、朝まで漏れないってCMしてるヤツなんですよ!?

パジャマもなんで着替えてるんですか?!
昨日夕方に着替えたばっかりなんですけど!!
今、乾きにくいし、そんなに汗もかかないから、
2日に1度着替えさせてくれって頼んだはずですけど!
乾燥機使わなきゃいけないじゃないですか!」


スー(息吸う音)

まーまーたまに来ては
ご丁寧に文句ばっかたれてどうもありがとうございます。
それはですね、
あなたの大事な大事な旦那様が、
夜中にオムツん中に手ぇ突っ込んで、
○ンコまみれの手で、
ベッド柵やらパジャマ、シーツを
ベタベタ触って部屋中、
異臭放ってたからなんですねー。
その○ンコまみれの手で、
わたくし、
腕をつかまれたんですけど?
真夜中にわたくし、
ベッドバス、寝衣交換、シーツ交換、
柵を洗って、ヒビアルで消毒して、
果ては一応気使って、
おたくのパジャマを
洗濯・揉み洗いまで
させていただいたんですけどねー
自分ちの洗濯も、まだしてないのに。
同室者に謝りながら、寒風吹きすさぶ2月に、
窓開けて換気したんですがねー
夜に当てたら朝まで漏れないのは
自宅で普通の生活してる人の事ですよねー
今あなたの旦那様は、
持続点滴を一日4本(2000cc)
プラス、利尿効果の高いグリセオールを一日2本
入れてる状態なんですねー
2時間に1回、交換してますが、
普通に寝ていただいたらもちますけど、
あなたの旦那様、JCS3なもんで、
オムツはずしちゃうんですよねー
ついでに点滴もよく
自己抜去されますしねー
バルンなんて入れられないですよ、
抜くの目に見えてますしねー
何なら抑制しましょか?
それとも、あなた泊まりますか?



はぁはぁ・・・

ああああぁぁぁ、言ってやりたいぃぃ〜〜〜


患者さんに罪はありませんが、
ありがとうくらい言ってもいいんじゃないのん?






+ いろんなお土産 +


年末の病院では、モチ調査が行われます。
元旦の朝食に出されるお雑煮に入れる餅の調査です。
詰らせそうな人をピックアップして栄養科に提出するもの。

危なそうな人は、餅が白玉になります。


今年の元旦も、他の病棟ですが、一人、餅を喉に詰らせてステった人がいるんですよ・・・
しかも、詰らせそうだから、白玉を出していたのに。


面会に来た人が持ってきたんですよ・・・・・餅。




よくお見舞いに来る人の持参するモノ にお菓子や果物なんかありますけど、
あれ、糖尿病の人にしちゃ、いたって迷惑なハナシ。

「たくさん持って来たので、食べてください〜」って、同室者に配る人もいますが、
アレも迷惑極まりないハナシ。


高血圧で塩分制限の人や、糖尿病でカロリー制限の人、
嚥下障害でキザミ食の人、消化器疾患で流動食の人・・・


病人に食べモン持ってくんなーーーー!!!!と声を大にして言いたいんだけど、
こればっかりは好意ですからねぇ・・・

みなさま、誰かの面会に行く時は、お気をつけあそばせネ。


花も面会の人が多いと、花瓶なくなるくらい花だらけになりますし、
匂いのある花は同室者に迷惑です。

パジャマやスリッパ、日常生活で使うモノなんかは、喜ぶ人と、
「そんな長い間、入院してろっちゅうコトかいな」と思う人もいますので、注意です。




5年の看護師経験の中で、患者さんが一番喜ぶものがわかった気がします。






それは、
現金。


やっぱこれにつきるでしょ。





+誤飲+

こないだの深夜勤の出来事・・・・

朝、5時。

まだ暗闇の病棟の中、ナースコールが響きました。

元々、小さい頃からてんかん発作を持つ、
今回は軽い脳出血で入院になった35歳男性、S田さん。

「コレは、何の薬なんでしょうか?」

S田さんが手渡した薬の包みを見て、絶句したユウコさん。

「こ、こ、これ、もう破れて、中身がないけど、もう飲んだんですか?」

「ハイ・・・今。机の上にあったから寝ぼけてて、飲まなあかんわーと思って。」

「む、ムカつきとかアリマセンね?」(←必死に動揺を隠している)

「なんともないです。」

「そうですか、ちょっと調べてきますのでお待ちクダサイネ」ニッコリ^^(←最後の笑顔)



マジですか。これあなたシリカゲルですが。



みなさまご存知ですか?お菓子の中によく入ってる、いわば乾燥剤ですわね。



子供じゃないんだから、間違えて飲むかフツー。
ちゃんと「DO NOT EAT」って書いてありますが。
ああそうですかあなたは日本人ですか、
でも下に「食べられません」って書いとるやろが。



当直ドクターも、初めての経験らしく、「ど、どうする?やっぱ胃洗浄?」とか私に聞く始末。


「とりあえず、安全なのか、どーなのかわかんないから、
中毒センターに電話して聞いてみたらどーです?」

「ああ、そっか。」

飲んだのはごく微量なので、無害であろうとのお返事を頂き、一安心。


あー朝から驚いた。

小さいお子様のいるご家庭のみなさま、
お気をつけあそばせね。





+命の選択+

LKからの転移性脳腫瘍の患者、H中さん。

私がプライマリーナース。

肺癌の方は、内科。

脳腫瘍はもちろん脳外科。

内科と脳外科の共科入院の患者さん。
今回は脳腫瘍摘出術をするということで、内科病棟から転棟になった。

もう、肺癌も末期なのに、果たして脳腫瘍摘出術をする必要があるのか。
リスクの高い選択を家族は選んだ。

術後、私が出勤するたびに、ひとつずつ、医療器具が増えていた。


バルン、点滴、酸素、モニター・・・


悪くなっているのは目に見えてわかった。
それは、脳腫瘍ではなく、肺の方。


「もう脳外科の領域じゃないですよ、内科メインにするべきです。」
「急変時の対応は、ご家族にムンテラされたんですか?」

何度も何度も、脳外科主治医に打診したけど、
一向に動かない主治医。

そしてその時は突然やってきた。

呼吸状態悪化。みるみる全身チアノーゼ。

当直医の判断は「気管内挿管」

聞き慣れない方もおられるかもしれない。
よく、ドラマで、口から管が入って、人工呼吸器に繋げられているのを見た事がありますよね。

あの管を入れる行為を挿管といいます。

人工的に、管から空気を送り込み、呼吸させる手法。

これをするかしないかで、予後は変わります。

当直医が主治医2人に電話連絡。

内科は「挿管しない方向で。」
脳外科は「挿管して。」


どうして主治医同士、もっと密に連絡を取っていないのか、
どうして家族にもっと充分なインフォームドコンセントが行われていないのか。


この2人の意向、どちらが正しい選択だったのか。
正しいという言い方は語弊があるかもしれない。

挿管すれば、一時的に命を繋ぎとめる事が出来る。
しかし、苦しんでいる患者さんを楽にさせてあげたくてもう抜いてあげたいと思っても、
安楽死の認められていない日本では、絶対に抜くことは出来ない。
以前、女性医師が、充分なインフォームドコンセントなしに
抜いた抜かないで訴訟問題になってました。

LK末期なのだから、離脱できないのは目に見えている。
人工的に空気を無理矢理送り込むのだから、肺が傷むのも。
脳死判定からの臓器移植で肺が成功の可能性が低いのも、そのせい。
人工呼吸器に長く繋がれた患者さんは、肺の損傷が激しいから。



もう何の反応もない、ただ機械に呼吸させられているH中さんを見て、家族はどう思っただろう。

心臓だけが哀しい電子音をモニターから響かせている中で。

QOLという言葉がある。
quality of life(生命の質)

どんなに生きながらえても、その人自身が「幸せだ」と思えないのなら、QOLは低くなり、
もう余命わずかでも、「この生き方で幸せだ」と思えるのなら、QOLは高くなる。

助かるのなら、挿管はとっても大事な医療行為。

でも、もうほんの数日、命を延ばすだけのものなら、私はして欲しくない。

でも自分の家族がそうなったら、私はどうするんだろう。

母親にも言われた事がある。
「あんた、看護婦なんだし、あんたの判断に任せる。
もう助からないのなら、延命処置はしないでね。
人工呼吸器なんかつけたら、高額医療になってしまうし、あんたに負担かけたくないし。」


いくら考えても、答えなんて見つからない。

どっちが正しいのか。
どっちにもそれなりに理由があって、それを責めることなんて出来ない。


私は、医師より患者の近くにいる看護師が、
患者さんとその家族に、充分な知識と選択肢を与え、
共に考える事が大事だと思っている。





+その後・・・?+


日勤が終わっての帰り道、昔、入院していた患者さんの奥さんにバッタリ会いました。

3ヶ月くらい前に退院した患者さんだったし、私の受け持ちだったので、
名前も、病名も覚えていました。


でも、もう何年も前の患者さんや、その家族に街で偶然会った時は、困るんですよね。

顔はなんとなく覚えていても、病名や名前を覚えていません。
軽快退院したのか、治癒せず転院したのか、治療の甲斐なく死亡退院したのかなんてのも。

なので、「お元気ですか?」なんていうのはご法度。



私の決め言葉は、
「その後、どうですか?」


元気に退院した患者さんならもちろん「元気ですよ〜」とか、「あの後、具合悪くて、また入院したんですよ〜」とか。

転院した患者さんなら、「あの後、○ヶ月で退院しまして〜」とか「○○病院に移って、今は家で面倒看てます」とか。

もし、亡くなられた患者さんのご家族だったら、
「え?主人は亡くなったんですよ?」と切り返されたら
「いえ、奥さん、その後、どうですか?」なんて返せます。



ナースのみなさま、覚えてない患者さんに偶然会った時、どうしてます?





+家庭内別居+


昨日入院になった、脳梗塞で、失語症もある患者さん、Kさん。

アナムネ聴取時、本人は喋れないので、奥さんに話を聞いた。


「3日前に発病したみたいです。」

「えっと・・・奥さん、どこか旅行か何か行ってはったんですか?」



「いえ・・・会話のない夫婦なもんで・・・・・」

「あ・・・そうですか・・・・・」



「頭痛はあったみたいで、今思えばえらい頭痛薬飲んではりましたわ。」

「頭が痛いとか、体の不調を奥さんには言わはらへんかったんですか?」

「ええ・・・」








同じ家にいて、発症したコトにすら気付いてもらえないなんて・・・・( ̄∇ ̄;)


淋しい・・・





+医療過誤問題+


なんだか昨日からユウコさんはとってもブルーです。

実は先日、うちが医療過誤で全国ニュースに流れまして。

キモチのいいもんじゃないですわ。

前にもあったんですけどね。

医療職は、コレがあるから怖いんですよ。
人生、棒に振りますからね。
なまはんかな気持ちではナースにはなれない。


前回話題になった時の当事者のナース、今一緒に働いているんですが、
不眠症に悩まされて、眠剤と安定剤が欠かせません。

度重なる長時間の事情聴取、何度も何度も同じことを聞かれて、
前と違うコトを口走らないか、矛盾や嘘はないか確認しているんだろうけど。
自宅まで記者が張り込んで、外にも出れず、カーテンも開けられなかったとか。
言葉尻を拾って、視聴者がおもしろおかしく取れるように、いいように解釈して報道されたり。

いろいろな医療過誤のニュースが流れていますが、
そのほとんどが、ナースの不手際が原因と報道されています。

でも、それってほんとに正しいのかな、といつも思う。

いろいろなミスが重なって起きたことでは?
ナースだけではないはず。



患者取り違えで、臓器を間違えて切除したとか、ありましたよね。

一人のナースがなぜ、何人ものオペ患を一日に受け持つの?
日勤にナースの人数を確保出来ず、平等に割り振れなかった婦長の責任は?
病院のシステム上の問題は?
術前訪問に行っているはずなのに気づかなかった、オペ室ナースの責任は?
事前に診察しているはずの麻酔科医の責任は?
そしてなにより執刀した主治医の責任は?

何もかも、闇の中に葬り去られているのでは?

考えたらキリがありません。

でも、報道は、「ナ
ースが患者を間違えて申し送った」とだけ。


私がナースを辞めたいと思うのはこういう時。

キツイ・汚い・危険。

この「危険」には、感染症の患者の体液に接触する機会があるとかいう意味ではなく、
「人生の危険」のように思えてならない今日この頃。




こんな人間の生
を間近で感じ、いつも神経張り詰めて仕事してるから、
看護師は長生きしない、って言われるんでしょうね。




すいません、誰かに愚痴りたかったん
デス。






+ 理想の夫婦+

今、レベル300、昇圧剤をポンプで時間15cc、自発呼吸なしでレスピ使用中のおばあちゃまがおりまして。

78歳。

おじいちゃまも、そのくらいの年齢なんですが、毎日、毎晩付き添っておられます。

もう、覚悟しているので、とても穏やかに見守っておられます。


「ばあさんとの初めてのデートはハイキングやったんや。
ばあさん、お弁当作ってきよってなー・・・・
大きなエビが入ってたわ〜・・・10円もする高価なもんやったしな、
わし、ばあさんを怒ってしまったんや。こんな高価なモン、わしのために買うたらあかんやんか!って。
ばあさん、泣いてもうてなー・・・
喜んでもらえると思って作ってきよったのに怒られて、驚いたやろなぁ〜・・・
わし、それからエビが大好物になったんや。」






素敵です。

こんな風に年を重ねていきたいものです。





+ ジャパンコーマスケール+

睡魔全開の午前4時。
クモ膜下出血術後8日目スパズム真っ盛りの患者さんのバイタル(検温)に行った時、

「○○さーん、お名前言えますか?教えてください。」

「○○ ○○です・・」

「ここはどこかわかりますか?」

「大阪・・・」

「今日は何月何日かわかります?」

「・・なんでみんな毎回同じコト聞かはんの・・・?それくらいカレンダー見たらわかるんちゃうん・・・」



せやなぁ、レベルクリアな人にしたら失礼かもなぁ〜




「そうですねー、ごめんなさいねー。○○さん、どこか痛いとこありませんか?」

「うー・・・ある。」

「どこが痛いんですか?」






「名古屋。」





「・・・・へー・・・・・」



『痛い』を『行きたい』と勘違いしたのか、イジワルされたのかレベルが悪いのか定かではありません。


はい、JCS1。(JCS1=意識清明だが今一つハッキリしない状態)




退院したら、近鉄特急で是非名古屋へ。






+ どこが痛いの? +

金曜日に、白内障で入院中のご老人、Yさんが、PEA+IOLのオペだった。

硝子体切除は、通常、局所麻酔で行われる。

オペ中、あまりに痛がるので、オペは途中で中止。


今日、その話を聞いたユウコさん。
「へ〜。白内障手術で痛がる人って初めて聞いたー。麻酔効いてなかったんかなー」


Yさんに、「今日は痛みはだいぶ引きましたか?」と聞くと、

「ええ、もう腕に巻いてませんからね」と見当はずれの答えが返ってきた。

「・・・・?  腕?」

「ええ、手術の最中、定期的に血圧測るでしょう。その腕が痛くて痛くて・・・」

「え。目じゃなくて?」

「ええ。目は何ともないですよ。ただ、腕がねー」







自動血圧計のマンシェットが痛かったの?






月曜、再手術らしいです。





+白衣の天使は笑顔だけじゃない+

1995年、近所の府立高校を卒業した後、同年、看護学校へ進学。
1998年、国家試験も無事合格。

あんまり仕事に情熱燃やすタイプではないので、
仕事半分・プライベート半分がちょうどいいカンジ。

新卒で配属されたのは脳外科。
脳外は5年働いて、今度は心臓外科に異動。
心外は3年働いて、結婚退職。

キツイ・汚い・危険の3Kに加え、
彼氏が出来ない・結婚出来ない・子供が産めない・クマが取れない、
化粧のノリが悪い・規則が厳しい・給料安い・休暇が取れない・薬に頼って生きている・・・
と、どんどん増えてる、とても大変な肉体労働。

38℃の熱出しながら、キッチリ組まれたシフトを変える(休む)事など出来ず、
37℃の患者の氷枕を交換してる自分にちょっと涙が出たり。

夜勤明け、窓の外の太陽を見て、朝焼けか夕焼けかわからなくなってしまうくらい昏睡してしまったり。

ICUの8時間。
心電図モニターが、規則正しくリズムを打っていたのに、ポーンとPVCが出たりなんかするとドキッとする。
ICUは大して体は動かさないのに、気の緩む暇がないので、勤務が終わると心身共にグッタリ。



『仕事は何を?』と聞かれ、『看護師です』と言ったら、必ず『スゴイねー』と言われるけど、
ナニがスゴイのか。解って言ってる人は少ない。

『ナニがスゴイと思うの?』

『だって、下の世話とか、血見たり、注射したり、夜勤もあるんでしょ?夜の病院って怖そう』

これ聞くとウンザリする。
私達はそれだけしかしてないのか。体動かすだけが看護師なのか。

それも大変だけどね。でもね。
技術だけだったら、ライセンス持ってる意味がない。
知識を伴ってないとね。

下の世話だって大事な看護。
感染しないよう手順もあるし、異常がないか観察も兼ねてる。

される側にしたら羞恥心のある行為だから、精神的にも気を使う。
ナースコールを遠慮する患者さんには、充分なコミニケーションを。

オムツから離脱し、活動範囲を広げていく為、ポータブルトイレや車椅子でトイレへ向かう。
麻痺のある患者さんがいかに苦痛なく自分で用を足せるか、方法を一緒に考える。
退院後、家での生活様式に合わせて行えないやり方じゃ意味がない。

たまには叱咤激励しながら、成功を喜び、意欲を持たせる援助をしていく。




・・・・・・・・なんだ、私、仕事大好き人間やん。









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